「広告代理店って年収高いんでしょ?」
転職を考えている方からよく聞かれます。結論から言うと、会社の規模と職種によって全く違います。大手総合代理店と中小の独立系では、年収が倍以上違うこともあります。
この記事では、大手総合広告代理店で7年間営業として働いた経験から、年収のリアルを正直にお伝えします。
広告代理店の年収:会社規模別の現実
大手総合代理店(電通・博報堂クラス)
平均年収は1,000万円を超えると言われています。ただしこれは全社員の平均であり、年齢・役職による差が大きいです。
実態としてはこんなイメージです。
- 新卒1〜3年目:400〜550万円
- 4〜7年目(一般社員):550〜750万円
- 8〜12年目(主任・係長クラス):750〜950万円
- 管理職(課長以上):950万円〜
大手は年功序列の色が強く、若いうちは「思ったより低い」と感じる人も多いです。ただし30代後半以降は一気に上がる傾向があります。
中堅・独立系デジタル代理店
平均年収は350〜650万円程度が現実的なラインです。
- 20代前半:300〜400万円
- 20代後半:400〜500万円
- 30代前半:500〜650万円
大手より低いですが、成果主義の会社が多く、結果を出せば早く上がりやすい環境です。「30代で大手の同期より高い年収になった」というケースも珍しくありません。
外資系広告代理店
WPPグループやIPGグループなど外資系は、実力主義で年収の振れ幅が大きいです。
優秀であれば20代で600〜800万円も可能ですが、成果が出なければ厳しい評価を受けます。英語力が必須になるケースも多いです。
額面と手取りの差:知らないと後悔する
「年収600万円」という数字に惹かれて転職したら、「思ったより手元に残らない」と感じる人が多いです。
年収600万円の場合、手取りは概ね450〜480万円程度になります。社会保険料・所得税・住民税を合わせると約20〜25%が引かれる計算です。
月収に換算するとこうなります。
- 年収400万円 → 手取り月収約26〜28万円
- 年収500万円 → 手取り月収約32〜34万円
- 年収600万円 → 手取り月収約35〜38万円
- 年収800万円 → 手取り月収約46〜49万円
転職先の年収を見るときは、額面だけでなく手取りで考える癖をつけておきましょう。
残業代の実態:固定残業代に注意
代理店の求人でよく見る「固定残業代込み」という表記に注意が必要です。
月30〜40時間分の残業代が基本給に含まれているケースが多く、その時間内の残業は追加で支払われません。
例えば「月給30万円(固定残業代40時間分含む)」という条件の場合、実質的な基本給は25万円程度になります。
繁忙期に40時間を超えて残業しても、追加の残業代が出ない会社も存在します。面接では必ず「固定残業代の時間数」と「超過した場合の扱い」を確認してください。
職種別の年収の違い
同じ代理店でも、職種によって年収に差があります。
営業(アカウントエグゼクティブ)
代理店の花形職種で、年収は比較的高めです。クライアントとの折衝・社内調整・提案など幅広い業務をこなす分、評価されやすい職種でもあります。
クリエイティブ(コピーライター・アートディレクター)
実力主義の色が強く、実績次第で年収の振れ幅が大きいです。若いうちは営業より低いケースが多いですが、受賞歴や実績が積み上がると一気に上がります。
デジタル・運用担当
近年最も需要が高い職種です。Google広告・Meta広告などの運用スキルを持つ人材は引く手あまたで、転職市場での評価も高いです。
メディアプランナー
テレビ・新聞・雑誌などのメディアバイイングを担当します。大手代理店では重要な職種ですが、デジタルシフトの影響でポジションが変化しつつあります。
年収アップのタイミング
代理店での年収アップは主に以下の3つのタイミングです。
① 年次昇給
毎年の定期昇給で年3〜7万円程度上がります。ただし会社によってばらつきが大きく、業績が悪い年はゼロのケースも。
② 昇格
役職が上がるタイミングで大きく上がります。一般社員から主任・係長クラスに上がると、一気に50〜100万円上がることもあります。
③ 転職
実は最も年収を上げやすい方法が転職です。
同じスキルでも、転職先の会社規模や交渉次第で100〜200万円上がることがあります。特に「デジタル広告の運用経験」は現在の転職市場で需要が高く、経験者は交渉力があります。
代理店の年収は転職で上げるのが現実的
7年間代理店で働いた実感として、社内での年収アップには限界があります。
年功序列の会社では、どれだけ成果を出しても同期と大きく差がつきにくいです。「頑張っても年収が上がらない」と感じて転職していった同僚を何人も見てきました。
一方で転職した同僚の多くは、年収を100〜200万円上げることに成功しています。特に以下のパターンは年収アップしやすいです。
- 独立系デジタル代理店 → 大手代理店への転職
- 代理店 → 事業会社のインハウスマーケターへの転職
- 国内代理店 → 外資系代理店への転職
転職市場では「代理店出身者=即戦力」として評価されることが多く、経験を正しくアピールできれば年収交渉で有利に動けます。
ただし年収交渉は自分一人でやるより、転職エージェントに代行してもらう方が結果が出やすいです。エージェントは企業との交渉に慣れており、自分では言いにくい条件も代わりに伝えてくれます。
広告代理店の年収で後悔しないために
転職前に確認しておくべきポイントをまとめます。
確認すべきこと
- 固定残業代は何時間分か
- 昇給・昇格の基準はどうなっているか
- インセンティブや賞与の実績はどのくらいか
- 同年代の先輩社員の年収はどのくらいか
これらは求人票には書いていないことが多く、転職エージェントを通じて確認するのが現実的です。
「年収が高そう」というイメージだけで入社すると、手取りや残業代の実態を知ってがっかりするケースも多いです。事前にしっかり確認しておきましょう。
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