この記事を読んでいるあなたは、広告代理店への転職を考えながらも「実際きつくないか?」と不安なのではないでしょうか。
結論から言います。きついです。ただし、「何がきついか」を知っておけば対策できます。
私は大手総合広告代理店で7年間、営業として働きました。テレビ・デジタル・OOH広告を担当し、大小さまざまなクライアントと仕事をしてきました。この記事では、採用サイトや転職サイトには絶対に書いていない「現場のリアル」をお伝えします。
広告代理店がきついと言われる5つの理由
1. クライアントの要求に終わりがない
広告代理店の仕事は「クライアントファースト」が絶対です。
修正依頼は深夜でも来ます。入稿前日に「やっぱりコンセプトから変えたい」と言われることも珍しくありません。私が経験した中で最もきつかったのは、テレビCMの放映前日に「タレントの表情が気に入らない」という理由で再撮影になったときです。
クライアントの要望に応えることが仕事なので、「それは無理です」とは言いにくい。この終わりのない修正対応が、代理店の仕事をきつくしている最大の理由です。
2. 社内の調整業務が想像以上に多い
クリエイティブ・メディア・デジタル・PR……一つのキャンペーンを動かすには社内の多くの部門を巻き込む必要があります。
対クライアントだけでなく、社内調整も営業の大事な仕事です。むしろ社内調整の方が大変と感じる場面も多いです。
「クライアントはOKを出しているのに、社内の承認が下りない」という状況は日常茶飯事です。複数の部門の利害を調整しながら、プロジェクトを前に進める力が求められます。
3. 繁忙期の残業は本当に多い
プロジェクトの山場では残業が続きます。
月末・月初のレポート締め切り、キャンペーン前の追い込み、新規提案の準備……これらが重なると、1週間連続で深夜退社になることもあります。
ただし、閑散期は比較的ゆっくりできる会社も多いです。「常に残業100時間」ではなく、波があると理解しておくとギャップが減ります。入社前に「繁忙期はいつ頃ですか?」と確認しておくのがおすすめです。
4. 複数クライアントの同時管理がしんどい
中規模の代理店では、1人の営業が10社以上のクライアントを担当することがあります。
それぞれのクライアントの状況・数字・担当者の名前・進行中の案件を常に頭に入れておく必要があります。「A社の件でB社の担当者に電話してしまった」というミスが起きるくらい、頭の中がパンパンになることもあります。
マルチタスクが苦手な人にとっては、特にしんどいポイントです。
5. 数字のプレッシャーが常にある
広告の効果は外部要因にも左右されます。競合の動き、季節要因、市場の変化……代理店側でコントロールできないことも多いです。
それでもクライアントから「なぜCPAが上がったのか」「先月より数字が悪い理由は何か」と詰められることがあります。
結果に対して常に説明責任を求められるプレッシャーは、慣れるまでかなりきつく感じます。
きついのに、なぜ人は広告代理店で働き続けるのか
きついことを書きましたが、それでも代理店で働き続ける人が多いのには理由があります。
仕事のスケールが大きい
テレビCMや大型キャンペーンを動かす経験は、代理店でしかできません。「自分が関わった広告が世の中に出る」という達成感は他では味わいにくいです。
スキルが急速に身につく
広告・マーケティング・プレゼン・数値分析・プロジェクト管理……代理店では短期間で多くのスキルが身につきます。3年働けば、転職市場でかなり評価されるスキルセットが揃います。
人脈が広がる
様々な業界のクライアントと仕事をするため、幅広い人脈が作れます。これが後のキャリアに活きることも多いです。
広告代理店への転職をおすすめできる人・できない人
おすすめできる人
- 人と話すことが好きで、提案することにやりがいを感じる人
- マーケティング・クリエイティブ・メディアなど幅広い知識を身につけたい人
- 成長スピードを重視している人
- プレッシャーの中でも前向きに取り組める人
- 修羅場を楽しめる人
おすすめできない人
- ワークライフバランスを最優先にしたい人
- マルチタスクが苦手な人
- 数字のプレッシャーに弱い人
- 指示通りに仕事を進めたい人(代理店は自分で考えて動く場面が多い)
転職前に必ずやっておくべきこと
広告代理店への転職を考えているなら、入社前に現場のリアルを知っておくことが大切です。
特に重要なのが「担当するクライアントの業界・規模」と「1人あたりの担当社数」です。この2つによって、きつさのレベルが大きく変わります。
面接では必ず以下を確認してください。
- 1人あたりの担当クライアント数は何社か
- 繁忙期はいつ頃で、残業時間はどのくらいか
- 離職率はどのくらいか(聞きにくければエージェント経由で確認)
転職エージェントを使えば、こうした情報を事前に入手しやすくなります。代理店の内情を知っているエージェントに相談するのがおすすめです。